お彼岸の話
春のお彼岸ですね。みなさんは「お彼岸」の期間はいつからいつまでか知ってますか?若い子は知らないでしょうが僕と同世代くらいのオトナも知らない人が結構いますね。因みに昨晩一緒に夕食を食べたオトナ4名さんは誰も知らなくて衝撃的でした。僕は仏教徒を宣言していますから当然知っています。春分の日と秋分の日を「中日」にて前後3日間。トータル7日間(1週間)がお彼岸ですね。ですから春の彼岸は19日からスタートしてます。この初日を「彼岸の入り」といいます。
簡単にお彼岸の意義を言うと
彼岸の意義を簡単に説明します。一般的には、この世のことを「此岸(しがん)」といいあの世ことを「彼岸」と呼ぶと思われがちですが、本来は「彼岸」とは死後の世界ではなく仏教で説くところの「悟り」という意味です。この「悟り」に到達することを「到彼岸」といいます。原始仏教では悟りに到達するためには肉体も感情も全て捨て去ると教えていますから修行の最終形態は身も心も焼き尽くす。つまりは死ぬことが悟りを得る事ということなり、そこから「彼岸」=「あの世(死)」という発想が生まれました。しかし現在の多くの仏教宗派は原始仏教ではなく大乗仏教を基本としているので彼岸は悟りを得るための修行に最適の日としています。中日の春分・秋分の日は昼と夜が同じ時間で、この時は陰陽の中間で生死の中間になります。このような時に仏事(修行)をするとより一層功徳(御利益)が増すというのが仏教の教えです。そしてその積んだ功徳を先祖に分ける(回向する)という意味でお墓参りをするわけです。ですから本来はお寺で行わている彼岸の法要に参詣してからお墓参りをするのが正しい仏事なんですね。お墓参りだけでは「仏事」になりませんから先祖供養になりません。とはいえ、今の時代はお墓参りをする人も少なくなっていますからお墓参りだけでも立派なものだと思いますが。仏事や神事といった日本古来の宗教的な行事が廃れていくのは「日本人の心」が廃れて失われていく気がしてとても淋しく残念に思います。それも時代の流れなのかもしれませんが。さて、僕は明日の春分の日には菩提寺の彼岸法要に参詣する予定でいます。お彼岸なので昼食にオハギでも食べましょうかね。
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